自己受容とはどういう状態?|Before / Afterで見えてきた、人生半ばの答え
自己受容に興味がある方も、ない方も、こんにちは。
みなさんは、「自己受容」をしている実感として持ったことありますか?
「自己肯定感」はよく聞くけど、「自己受容」って意外と耳慣れない方も多いかもしれません。実際にはふわっとしていて掴みにくく、できているのかできていないのかも分かりにくいものです。
でもご安心ください。完璧に自己受容できている人なんて、実はごく少数。今回は、私自身の体感をもとに「自己受容とはどんな状態なのか」を整理しました。
ぜひ、みなさんの自己受容チェックリストとして活用してみてください。
自己受容とは?心理学的な意味
まず、自己受容はどういう状態なのか、整理しましょう。
心理学でいう自己受容とは、簡単にまとめると次のような状態です。
自己受容の状態:
・良い面も悪い面も含めて、自分をまるごと肯定的に受け入れる
・自分を裁かず、変えようとせず、「今の私もOKだ」と思える
・完璧じゃなくても大丈夫だと、深いところで思えている
これは「こうあるべき」「ちゃんとしなきゃ」という条件付きの価値観から、自分を解放した心の状態です。
たとえば、仕事で失敗しても「そんな自分も人間らしい」と受け止められること。
過去の苦い経験や欠点も否定せず、「今ここにいる私」にやさしくOKを出せる状態です。
それは、完璧を目指すこととは真逆で、「人間らしさを大切にする生き方」と言えるのかもしれません。
自己受容のBefore/After比較
この半年間、自己対話(内観・内省コンボ)を続けてきたことで、少しずつ「自己受容」を実感するようになりました。
でも、最初からそうだったわけではありません。
だからこそ分かる、自己受容のBefore/Afterの違いをまとめてみました。
自分の状態と照らし合わせてチェックするだけでも、今どこにいるのかが見えてきます。
スライドはそのまま自己受容チェックリストとしても使えるので、ぜひ参考にしてみてください。
自己受容できない頃(Before)
スライドから抜粋すると:
・他人の評価や社会的な正解ばかりが気にする
・どんなに頑張っても、心は満たされない
・ネガティブな感情を感じるたび、自分を責めている
・よく、不安になったり、怒りが込み上げてくる
こんなふうに、当時の私は「生きづらさ」の中で、もがいていたように思います。
自分は社会にうまく馴染めないんじゃないかと、本気で悩んでいました。
でも大丈夫です🌱
少しずつ、自分を受け入れるプロセスを重ねることで、変化が訪れていきました。
自己受容できた今(After)
スライドから抜粋すると、
・人と比べず、自分は自分の道を進むと思える
・心や腹のあたりに常に「満ちている」感覚がある
・自分を責めず、大切にしている自信がある
・感情に揺れても、呑み込まれず「安定」に戻れる
この中でも一番驚いたのが、常に心や腹のあたりに「満ちている」感覚がある、ことでした。
朝起きた瞬間から。
つまり、自分の「ニュートラルな状態」「心が整った状態」「自然な状態」がわかるようになった、というのが近い表現かもしれません。
分かったからこそ、何かモヤモヤする時は、自己対話(内観・内省コンボ)で、心を整えられるようになりました。
自己受容を深めていけば、少しずつそんな感覚を味わえるようになっていくはずです🌱
自己受容の土台がある人は少ない
ちなみに、育っていく過程で自然と自己受容の土台が築かれる人は、愛着理論では全体の2〜3割とも言われているそうです。
つまり、実際には7~8割の人が、大人になってから自己受容を学ぶ旅を始めるわけです。これはとっても自然なことなんですね。
私もそのひとりでした。
正直、「できれば最初から身についていればよかったな」と思うこともあります。
でも、この「旅の途中」で得た経験は、決して無駄ではありませんでした。むしろ、つらさを経験した人ほど、深く自己受容を実感できるし、同じように悩む誰かにやさしくなれる。
それって、とても尊いことだと思うのです。
自己受容までのプロセス|3つの大切なヒント
私が自己受容を実感できるようになるまでに、特に大事だったと感じるのは3つのことでした。
どれも特別なことではなく、日々の自己対話(内観・内省)の中で少しずつ積み重なっていったものです。
📚 自己対話の具体的なやり方は、こちらの記事でも紹介しています
それでは、私が実感した「自己受容への3つのヒント」を順番に紹介していきます。
ヒント1|感情をそのまま感じて受け入れる
多くの人にとって、ネガティブな感情はできれば避けたいもの。
私も長い間、気を紛らわせたり無視したりして、感じないようにしていました。
でも、不快な感情に少しずつ向き合うようになったことが、大きなターニングポイントでした。
押しのけても戻ってくるなら、思いきって感じてしまおう!と覚悟を決めたのです。
それから、自己対話を重ね、「嫌な気持ち」は、自分の心からのサインだと気づくことになります。ネガティブな感情も大切なメッセージ。感じても大丈夫なんです。
みなさんは、ネガティブな感情もしっかり感じてあげていますか?
📚 感情の力について知りたい方はこの記事がおすすめです
ヒント2|自分の厳しさに気づく
自分では気づかないうちに、私たちはとても自分に厳しくしています。
「ちゃんとしなきゃ」「失敗は許されない」
そんなふうに、自分で自分を追い込んでしまうのです。
自己対話をしながら、「嫌な気持ち」にしっかり向き合っているうちに、いつも自分を責めたり、自分で自分をジャッジしていたことに気づきました。
わざわざ自分を自分で追い込む選択もしていたりしました。
そんな自分を「もう苦しめない」と決めた日から、少しずつ、心や現実の変化を実感していくことになります。
自己受容とは、「そのままの自分でOKだ」と、深いところで納得できること。
まずは、「自分が自分を否定していないか」に気づくことから始まります。 もし心当たりがあっても大丈夫。それに気づけたこと自体が、もう変化の一歩です。
ヒント3|小さな行動を重ねる
自分を知った後に大切なのは、派手な変化ではなく、小さな行動を重ねることでした。
たとえば「疲れたら休む」「できたことを1つ褒める」など、ほんの小さなことで良いので、「自分を大切にする」「しっくりくる」行動です。
正直にいうと、自己対話を本気で始めた当初は、特に劇的な変化はありませんでした。
でも、ふと「あれ?前と反応が違うな」と気づく瞬間が増えていったのです。
前だったら胸がざわついて悔しいと思っていた場面でも、「今は大丈夫かも」と感じられる。そんな小さな違いの積み重ねが、少しずつ心を変えていきました。
ある日突然、特別な出来事があったわけでもないのに、深い安心と心の平穏を感じたとき、「これが自己受容なのかもしれない」と思えたのです。
(ちなみに、それまで「自己受容」という言葉すら知らず、今の状態ってなんだろう?と調べて初めて知りました。)
小さな一歩を重ねていけば、必ず変化は訪れます。
自己受容にかかる時間|変化のスピードは人それぞれ
自己受容は、数ヶ月で変化を感じる人もいれば、一生をかけて育んでいく人もいます。
この記事の冒頭でまとめたように、自己受容は「心の状態」として表せます。でも、その状態に「一気に到達する」というよりは、日々少しずつ育っていく「プロセス」でもあるんですよね。
だからこそ、自己受容を深めていくスピードは、人それぞれ。人生経験や性格、環境でも大きく変わります。
大切なのは、他人と比べるのではなく、自分の心のペースで進んでいくことです。
私自身の場合は、違和感に気づいてから本格的に自己対話に取り組むまでに長い時間がかかりました。(詳しくはスライドにまとめています👇)。
そして、この記事に出会ったあなたは、今がもしかしたらそのタイミングかもしれません。
📚 また、ここで大切になるのがDoing(行動)と Being(在り方)のバランスです。興味のある方は、こちらの記事も読んでみてください👇
まとめ|自己受容はそれぞれのペースで
ということで、今回は、私の体験を通して見えた「自己受容」の姿を整理してみました。
自己受容は、人によって「どんなふうに感じるか」も、「どう変わっていくか」も違うかもしれません。心理学でも、明確な完成形(状態の描写)は、まだ定義されていないようです。
この記事を読んで、一人の人間の体感として「こんな感じなのかもしれない」と参考にしていただければ嬉しいです。
もし今、自分は「つらいなぁ」と気づけているとしたら。
それこそが、変化の始まりです🌱
そして、自己受容は、「できた!」とすぐにわかるものではなく、ふと気づいたら、じんわり育っていたりするものです。
それぞれのペースで大丈夫。
どうか今日も、自分にやさしさを向けてあげてくださいね。
小さな一歩を重ねれば、必ずあなたの中に自己受容は育っていきます。
それでは、また次回の記事で、お会いしましょう🍵
〈 今回の記事のまとめ 〉
- 自己受容 = 今の自分をまるごと肯定的に受け入れること
- Before:評価や不安に振り回される/After:満ちている感覚に戻れる
- 感情をそのまま感じてあげることが、自己受容の第一歩
- 自分の厳しさやジャッジに気づき、やめると変化が始まる
- 小さな行動(休む・褒める)を積み重ねると、自然に心が変わる
- 変化のスピードは人それぞれ、自分のペースで育てればOK
📚 自己受容と自己肯定感の違いについてはこちらの記事もどうぞ
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